「・・・著書のいう「よい子」とは、要するに常識的なよい子で、養育に手のかからない親の言うことを素直に聞く子である。子の側からいえば、「親によろこんでもらいたい、自分の成長をプレゼントしたい…」との思いを持って生きようとしている子どもである。
しかし成長して思春期になって、この心を親が十分に理解していないと感ずると、子は急転回をする。子にとっての悲劇は親にあっても悲劇である。親子相互のこの悲劇を、親はどのようにしたら避けることができるか―。この問いに答えるために、著者は理論とともに多くの実例をあげ、豊富な体験から解答を示すのが本書である。(中略)
著者は、子どもの言いたいことを「聴け(聞けではない)」という。聞はただ耳で聞くことだが、聴の字型は著者がいうように〈まっすぐに耳を向けてききとる〉ことである。たとえば子が親の悪口をいう。親は怒って子を叱るが、親の悪態を口にせざるを得なかった子の心に耳を傾けよ、というのであろう。愛児の教育書として一読をすすめたい。
(元南無の会会長・松原泰道/『教職研修』2004年12月号)
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